『非時香菓』あとがき(という名の言い訳)

またしても大っ変お久しぶりの文章アップと相成りました。
今回のこの話は、去年の夏のネット落ち前にアップ予定と思っていながら、結局いまいち気に入らずに そのまま一年以上もお蔵に入れていたという、曰く言いがたい作品です。
なんといいますか、書く前からやっちゃった感も満載でした…。
この話に出てくる白虎と玄武は、サイト内ではずっとマスコットキャラ的な登場のさせ方しかしておりませなんだので、 拙サイトによくいらしてくださる方からしてみれば、シリアスなんてまったく関係なさげな、ほのぼの従兄弟としてのイメージ が定着していたのではないかと思います。
それなのに、いきなり片っぽの死から始まるし、そもそも、二人が共に「生きた」時代をまったく書いてないうちに この場面だけを形にしてしまったわけで、本当に、これを読んだ方が(特に、もしかしたらこの二人を気に入って くださってるかもしれない方が)どう思われるのかと考えると不安がつきません(滝汗)。 …いかがなものでしたでしょう…(ビクビク)。

この話のタイトル「非時香菓」は、古事記などでわりと有名な「ときじくのかくの木の実」の話(天皇に申し付けられた家来が、 神仙の秘区といわれる常世国に、不老不死の果実・非時香菓をもとめにゆくというのがたぶん大体のストーリー)がなんとな〜く モチーフになっている物語です。
小説の中では、あの金色の実を不老不死の果実として使ってはおりません。 ただ、「お前に頑張って生きていって欲しい」、そういう想いの連なりを、なんとかモチーフとからめて形にしてみたくて あーじゃないこーじゃないと四苦八苦していたのでしたが。…結局玉と砕けた感が否めませんでした…。
しかし今回は、白虎で一人称なんてやるもんじゃないなと、つくづく思いました。 手直し前の段階では、普通に淡々と小説として書いていたのですが、そうしたらあまりにも…あまりにも文章が暗くなってしまいまして。 これはいかんということで、急遽モノローグ進行に変更した結果、普段からフィーリングのみで動く動物っ子の 頭の中など、私には…私には無理!?なの!?と自問自答しつつ、あわあわしながら書き上げることになってしまったのでした。…もうやらん。 (でもイツ花や玄武とのやりとりは書いててすごく楽しいなぁとも思いました)

うう、またもまとまりのないあとがきとなりましたお許しください。
色々と問題のあるつたない文章ではございますが、何か一つでも読んでくださった方のお心に留まるものがありましたらば幸いでございます。

二〇〇六年葉月早朝 二兎拝

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