『花と風』あとがき(という名の言い訳)

もう12月になろうかって時期に桜かよ!…という突っこみはとりあえず置いといて(笑)。
『花と風』は、比鼓能の遺言から生まれた話でした。
もともと比鼓能は、容姿・色合いともに私のお気に入りだった上に、おもいっきり強くて印象的な娘だったのですが その上、最期に遺した言葉がこれ↓
「あら、涼しい風…これに乗っていけばいいのね…」
この遺言を聞いたとたんに、交神相手の風神・やたノ黒蝿様との物語がパチパチパチーンと組み上がってしまったのです。「こいつら何かあったな…」と(笑)。
しかし当初は思いついて一人ニヤリとしただけで(←あやしい)、サイトを立ち上げることを決めるまでは文章にしようとは思っていませんでした。
思いつくのは簡単至極ですが、それを読み物に仕立てるのにはえらく難儀いたしました。あらためて読み返してみると、そこここに難儀の跡が残ってるようで…だはははは。
つたない話で申し訳なかったです(^^;)

この話で書きたかったのは、月並みですが黒蝿と関わって変わっていく比鼓能の姿でした。
プレイ時、強いからとこき使って色々ひどい目(これについてはプレイ時の記憶の項にて)にあわせてしまった比鼓能ちゃんに せめて救いの物語を…という、屈折した親バカ心理が根底にあったり。
始めはわりと普通に恋愛話になる予定でありましたが、比鼓能という子は予想以上に難解なキャラクターで、 黒蝿とのからめ方に四苦八苦いたしました。
人に弱いところを見せて心配をかけたりするのが極端に嫌いな性質で、まぁそれだけなら強がりって事で だいぶ簡単なのですけれども、比鼓能の場合、自分自身に自分のもろさを認識させないよう自己暗示を かけているようなところがあり、まずそれをどうやって変化させたらいいかで苦しみました。
結果として黒蝿様は、やたら勘が良く、まめまめしく、可愛らしく(笑)なってしまってなんともはや。
ダークなイメージの彼が好きな方にとっては、えらく読みづらい小説だったことでしょうねェ…(冷汗)。
しかし、難解な笑い般若の比鼓能を好きだと言ってくださる方や、このまめまめしい黒蝿様を格好良いと言って下さる方々がいて下さり、 書いてる本人、大変嬉しかったです。特に、比鼓能が気持ちの上で変化を見せる五章や、いわゆる峠だった七章には色々と感想をいただき、恥ずかしくも幸せでしたv
文章はできるだけ、つっかえずにささ〜っと読めるように何度も書き直したつもり…です(流れ重視!・笑)。
血生臭さや、生々しさも、なるべく控えめな感じで、そこはかとなく色気が出たらいいなぁと思って書いたのですが…ううん、力不足は否めないなァ(^^;)
それにしても、いつもいつもUP遅くてすみませんでした。 一章の内容なんか覚えてねーよという方は、お暇な時にでももう一度見てくださると嬉しいなぁとか思ったり。 私が書くの遅いのがすべて悪いんですが、よ・よろしければ…。
はぁ、それにしてもなぁ…最終的にこれ、恋愛話になったんだろうか。ちょっと違う気が(ダメじゃん)。

兎も角も、ここまで読んで下さり、本当に有難うございました!

二〇〇三年霜月 二兎拝

プレイ時の記憶 * 主人公の戦歴 * 登場人物紹介 * あとがき

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